城山神社
香川県坂出市府中町本村4760
■菅原道真が雨乞い神事を行ったという明神原遺跡
城山は、標高462メートル。地域の最高峰で
あるため、視界が広く、西に丸亀平野、東に高松
平野の一部が見渡せ、讃岐の中心であることが実
感できる。山上部を中心に七世紀後半ごろ築かれ
た山城跡が存在する。
その山城の一画、東の明神原には、菅道真が雨乞
い祈願をした祭祀跡があり、安山岩の巨石が累々
とつらなっている。山中でもっとも神聖な場所と
いわれ、遺跡の中心には「烏帽子岩」とよばれる
巨石があり、周りに大小の石が群れている。説明
板によると、烏帽子岩を磐座とし、遺跡全体を
イ ワキ(磐境)と表現している。磐境という文字を
イワキと読む例はあまり知らないが、イワサカと
同じ意をもつものと思われる。
(『磐座百選』より一部抜粋)
大水上神社
香川県三豊市高瀬町羽方2677
■五穀豊穣を祈り、雨乞いをした千五百皇子社の磐座
大水上という文字の通り、水源を信仰する神社
で、讃岐国二の宮として崇拝されている。旧三野郡で
唯一の式内社であり、宮川の水源に位置し、
オオヤマヅミ(大山積命)・ホムダワケ(保牟多別
命)・ムナカタ(宗像大神)の三柱を祭神とする
が、かつては水源の神「大水上神」が祀られてい
たという記録が残る。
城山神社の項でもふれたが、水の乏しい讃岐に
とって、もっとも重要なことは水の確保以外のな
にものでもなく、まして水源を司る神であれば、
なおさらだった。古くから水の確保に苦労してき
ただけに、いかに水源地を神聖視してきたか想像
できる。大いなる水上の神とよばれる由縁だろう。
『神道大辞典』によると、「讃岐国の神」と位置付
けられ、伊勢神宮・内宮の末社・那自賣神社に祀
られているという。いわば地方の神ながら、内宮
の末社に勧請されたという事実は興味深い。水源
の神として、伊勢までその神名が届いていたのだ
ろうか。
(『磐座百選』より一部抜粋)